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パッシブファズ(ダイオードクリッパー)の自作

2016/08/29

【はじめに】
当ブログの内容における未検証項目につきまして、誤りがある点をいくつかご指摘頂いています。
誠に申し訳ないのですが、しばらく内容修正に取り掛かれないうえ、ブログを閉鎖することも今のところは考えていないので、内容に関しては「間違っている箇所もある」と思って頂けると幸いです。

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ファズはディストーションペダルの中でも歪みの荒々しさが激しいエフェクターという印象です。
ファズと言われて想像するのはやっぱりジミヘンでしょうか。(僕だけ?)

そこまで激しいファズを作るとなるとパッシブでは無理ですが、
理論的にファズっぽい物を作る事は可能ですw

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用意するもの

  • ダイオード×2
  • 線材
  • フォンジャック×2
  • ケース
  • DPDTスイッチ

ダイオード

本稿のパッシブファズでは音の波形をクリップする為に使用します。

ショットキーバリアダイオードやゲルマニウムダイオードのように順方向に電流を流せる電圧が低いものがいいです。

線材

単線でも撚り線でも構いません。

フォンジャック

モノラルスイッチなしでOKです。

ケース

なんでもOKですが、なるべくアルミダイキャストケースがオススメです。
他のケースを選んだ場合はノイズ対策とGNDあたりの取り回しを気にする必要があります。

DPDTスイッチ

今回はLEDによるON/OFF表記をつけないのでDPDTがあればトゥルーバイパス仕様で作れます。

 

回路図と説明

passive_fuzz_schematics

INから入った音の信号が、OUTに抜けるまでの間に2つのダイオードによってGNDに繋がれています。

こうすることで“ある電圧以上の信号だけ”GNDに流れていきます。
結果、流れなかった部分の信号だけがOUTから出力されます。

詳しく説明します。

ダイオードの特性

ダイオードは電流を一方向にしか流さない特性があります。

但し、「順方向電圧」といって、ある程度の電圧が加わらないと電流がほとんど流れないという性質もあります。

水圧が弱いと開かない水門があったとして、そこに強い水圧の水が流れこんだら開くイメージがわかりやすいかと思います。

diode_vf

順方向電圧は通常のシリコンダイオードで0.6~0.7V、ゲルマニウムダイオードで0.1~0.3V、ショットキーバリアダイオードで0.2~0.4V、LEDで2V前後と決まっています。

つまり順方向電圧が0.1のゲルマニウムダイオードであれば、0.1V以上の電位差によって生じる電流のみそのダイオードを通過できるということ。

もし0Vを中心に0.1V以下で生じる電流がダイオードの順方向に来たとしても、その先へ抜ける事ができないという事です。(厳密には少しは抜けるみたいですが。)

ダイオードクリップ

上の回路図のINから入った電流は分岐点において、電圧の高い部分だけがダイオードを通る事が出来て、GNDに落ちていきます。

という事は、残った電圧の低い部分だけがOUTから出てくるわけです。

例えば-1Vから1Vで揺れる交流の場合、
順方向電圧が0.5Vのダイオードを通れるのは0.5Vより高圧の部分のみ。

ダイオードをGNDに接続している事から、0.5V以上の部分はGNDに落ちます。
それ以外の0.5V未満の部分だけがOUTに出力されるわけです。

diode_clip

上が、INから入ったダイオードを通る前の音の波形で、下がOUTから出てくる波形。

OUTに出力される波形は少し波が角ばってつぶれた感じになりますよね。

これがファズのようなつぶれた音の波形(に近い感じ)で、このように波の上下部分を削り取る事を「クリップする」といいます。

クリップさせる役割を持つので、このダイオードを「クリッパー」と呼びます。

左側のダイオード要らなくない?

ダイオードは通常一方通行に電流を流すものなので、一見すると回路図左側のダイオードって要らなくない?って思いますよね。

でも音は基本的に波が0Vを中心に±に揺れて伝わります。

プラス側の波が順方向にかかる電圧(上記の波の図の上側の山)で、マイナス側は逆方向にかかる電圧です。

左側の逆方向を向いたダイオードがなければ、下側の山がクリップされません。

※わかりにくかったら、「そういうもんか」で大丈夫です!

レイアウト

passive_fuzz_layout

箱を裏からみたイメージで描いたので、左がINPUTジャックになっています。
紫色のラインが入力ライン~エフェクトON時の経路です。

エフェクトON時はDPDTスイッチの中央と右側がショートします。
中央上段に入力された信号は右上の端子から左のダイオードのカソードと、右下の端子へ運ばれます。

右下の端子からは右のダイオードのアノードと、中央下段の端子に信号が運ばれます。
そして中央下段はOUTジャックに接続されていますので、ここから出力されます。
これが回路図で言うところのINとOUTを繋ぐラインですね。

ダイオードのもう一方側は互いにOUTPUTジャックのスリーブへ繋がれて信号をGNDに流しています。

エフェクトOFF時には中央上段に入力された信号が左上の端子を経由して左下の端子、中央下段の端子、OUTPUTジャックと接続され、トゥルーバイパスです。

おわりに

音が出たらOKです。歪んでなくても完成ですw

というのも、音は耳にわかるほどの変化はないかもしれません。

なぜなら、基本的にエレキギターの出力電圧が非常に弱い(ハムバッカーで0.2~0.6V)ため、
それだけでダイオードの水門を開けられない可能性が高いからです。

前段に電圧を上げるブースターをかまして上げる事でいい感じのクリップ回路になるかもならないかも。

ダイオードに接続する部分で3Wayのトグルスイッチなんかを使って分岐させて、
LED、ゲルマのクリップ切り替えを作ってみるとか、対象、非対称で切り替えてみるとかしても面白いと思います。
有名なランドグラフのクリッパー回路はそんな感じになっていた記憶があります。

※非対称クリップは、片方のダイオードを直列に2つ、もう片方を1つで組んだもの。
真空管に近い歪み方をするとの事で、BOSSのあまりにも有名なオーバードライブペダルにも採用されてます。

あくまで理論的なパッシブファズですので、これを元に改良を加えていってオリジナルのファズを作れたらいいですね。

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