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一石ブースターFetzer Valveで作る「コンビーフブースター」

2021/09/28

【はじめに】
当ブログの内容における未検証項目につきまして、誤りがある点をいくつかご指摘頂いています。
誠に申し訳ないのですが、しばらく内容修正に取り掛かれないうえ、ブログを閉鎖することも今のところは考えていないので、内容に関しては「間違っている箇所もある」と思って頂けると幸いです。

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conbeef

以前僕が作った増幅一段のブースターです。
ケースがなかったのでコンビーフの空き缶を使いました。

増幅一段・・つまりトランジスター1つで作るエフェクターなら、
これぐらい小さいケースでも作れちゃうってことです。

トランジスターじゃなくてもFET、またはシングルオペアンプなんかでも同様。

ここでは有名なFetzer Valveという回路を参考に作っていきたいと思います。

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コンビーフブースター

Fetzer Valveとは?

Fetzer Valveというのは、runoffgroove.comといういろんな自作FXプロジェクトが公開されているサイトさんに掲載されている回路です。

ヴィンテージフェンダーの12AX7という真空管を使った入力ブースター回路を、真空管に似た特性のFETを使って再現したもの(っぽい)です。
なのでプリアンプ的な使い方に最適!

僕の大好きなブティックペダル「19sixty3」の元になった回路ともいわれています。

回路としてもパーツ点数も少な目で初心者向けではないでしょうか。

回路図

fetzer_valve_schematics

runoffgrooveのイメージを大きくしただけの回路図がこちら。
1つずつ見ていきます。

まずR1の68KΩ抵抗。
これはたしか、入力された信号が後段の増幅器を壊さないようにとか、なんかそういう為にあったヤツだったと思います。(違ってたらごめんなさい)

次にR2の1MΩの抵抗。
これは入力インピーダンスを上げる為のもの。
インピーダンスは僕もなかなか難しくて理解できないんだけど、
信号の受け渡しをする際のパフォーマンスをあげるだとか、ノイズを軽減するだとかに必要な概念です。

本来は出力インピーダンスと入力インピーダンスがマッチングする事が基本で、
プロの音響屋さんなんかはそういうのを意識してケーブルの取り回しを行ったりするらしいんですが、
ギターの出力やエフェクター・アンプの入力に関しては
「ハイ受け・ロー出し」というのが基本なんだそう。

つまり出力インピーダンスを低く、入力インピーダンスを高くしておく事で、
バランスが取れたとは言わないまでも、「まぁいいっしょ」みたいな受け渡しになるというわけ。

で、入力のインピーダンスをどう上げるのかというと、
インプットから入った信号を大きい抵抗でGNDに落としてあげればOK。
それがこのR2の役目です。だから1Mなんて大きい抵抗なんですね。

R3、R4、C2はQ1のソース接地という回路上で必要なもの。
1K5というのは、1.5KΩのこと。

またR4は起電圧である+9VがQ1のドレインの位置で4.5Vになるように調節する為、トリム(半固定抵抗)が指定されています。
松美庵さん曰く、J201というFETを使った時には20KΩ程度の抵抗で代用できるとのこと。

Q1に真空管代わりのFETを用意。
runoffgroove推奨はJ201、2SK30AY、2N5457、2N5458などなど。

C1はカップリングコンデンサーと呼ばれるもの。

FET

FETはトランジスターのような原理の半導体素子。
Field Effect Transistorの略。

この回路で用いられているのはNチャンネル型のJFETというFETです。
なのでJ201じゃなくても同じ型のやつなら差し替えが可能というわけ。
※PチャンネルやMOSFETだとNG。

そう思ったら2SK30Aや2N5457、2N5458などをいろいろ買っておいて、
FETは直接半田付けせずにソケットを用いて差し替えて試すと楽しいです。

2N5457は確かLovepedalのCot50で使われてた石だったような気がします。

ちなみに2SK30AのあとについているYとかGRというのはIDSSランクというFETの増幅度を表す記号のこと。
下記サイトがわかりやすかったです。
FETのランクのはなし:SUDOTECK

レイアウト

fetzer_valve_layout

公式サイトのまんまレイアウトです。
VRだけ画像で追加しました。

要するに1番端子をGNDに、2番端子をOUTPUTに、3番端子を基板のコンデンサーの足に繋げばOKということです。

また、注意点として、FETは物によっては足の働きが違う場合があるのでデータシートで確認した方がよさそうです。
J201、2N5457、2SK30Aだけ調べてみたところ、
J201と2N5457は裏から見た時に平らな面を上にして左からD(ドレイン)、S(ソース)、G(ゲート)となっているのに対し、2SK30AはS、G、Dの順でした。

2SK30Aを使いたい場合にはレイアウトにも若干の変更が必要になってきます。

fetzer_valve_layout2

ギュウギュウになっちゃうけど、こんな感じかも。

その他の部分の配線はこんな感じ。

truebypass_led_layout

詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
【参考】3PDTスイッチでトゥルーバイパス+LED点灯を叶える回路

おわりに

一石(FET一段)だけの増幅回路だとパーツ点数も少なく、割と簡単に出来ると思います。

あとはこれにノイズ対策を施していったり、ダイオードクリッパーを入れてみたり、
増幅を二段にしてみたり・・などなどでキャラクターを変えていけばオリジナルエフェクターの完成です。

ちなみに、コンビーフ缶に入れると強度に問題があるのと、
ノイズ面でもそこそこ問題があるのでオススメできませんw

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