LED(発光ダイオード)の光らせ方。配線方法と抵抗値、注意事項について。
2021/09/28
【はじめに】
当ブログの内容における未検証項目につきまして、誤りがある点をいくつかご指摘頂いています。
誠に申し訳ないのですが、しばらく内容修正に取り掛かれないうえ、ブログを閉鎖することも今のところは考えていないので、内容に関しては「間違っている箇所もある」と思って頂けると幸いです。
----ここから本文----
エフェクターの電源ON/OFFの時に光るライトは、主にLEDと呼ばれるパーツが使われています。
LEDの正式名称は「発光ダイオード」。
つまり、光るダイオードということです。
ダイオードの特性には電流を一方向にしか流さないというものがあり、LEDも電流を流す向きが設定されています。
LEDに二本生えている足のうち、長いほうをアノード、短い方をカソードと呼び、電流はアノードからカソードへ流すように設計します。
スポンサーリンク
LEDの種類
LEDは発光する色とサイズで数種類存在しています。
エフェクターで一番多く使われているのが3mmの赤色LED。
ON/OFF表示灯だけでなく内部配線(ダイオードクリッパー)にも使用されています。
数年前まではModされたエフェクターにはよく青色LEDが使われていてクールな印象を受けたものです。
最近は紫のものやピンク、黄色、緑などなど色味にも自由度が増え、エフェクターのビジュアル的なキャラクターを作るのに一役買っています。
僕がだいぶ昔に作ったコピー品エフェクターには5mmの紫色LEDを仕様しました。
(装飾品として5mmのLED用のメタルホルダーを使っています)
※ホルダーはソケットやベゼルなどとも呼ばれます。
チキンヘッドノブや無骨なケースと相まって、どことなく色気がありますね~!(自画自賛)
LEDの点灯のさせ方
LEDの配線は上図の通り。
VEEは電池とか電源だと思ってください。
GNDはアース・・・0Vってことにしておきます。
電源の+側から抵抗を通って、LEDのアノードに。
LEDのカソード側からスイッチ、GNDの順になるようレイアウトしてみましょう。
※スイッチおよび抵抗の位置はLEDの前後どちらでもOK
スイッチがオフのとき、LEDのカソード側の電圧はアノード側の電圧と同じになります。
つまりLEDの両端には電位差が生まれないため、電流が流れません。
電流が流れないのでLEDは点灯できないのです。
つぎにスイッチをオンにするとLEDのカソード側の電圧は0Vになるため、LEDの両端に電位差が生まれます。
この時、アノード側の電圧がLEDを通過できる値になっていれば電流が流れ、LEDが点灯するわけです。
回路上の抵抗の役割について
この回路を初めて見た時「こんなややこしくしないで、直接電池の両端にLEDを繋げばいいじゃない・・・」って思った方も多いのではないでしょうか。
・・・僕もそのくちです。
そう思う方は、一度自分の欲望の赴くままに試してみる事をオススメします。
一瞬まばゆい光がパァッと光ったかと思うと、LEDは二度と光ってくれなくなるでしょう。
LEDを一つ犠牲にする代わりに、大切な何かを学べるということです・・・。
実はLEDには「最大定格電流」というものが決められていて、これを超えると発熱したり極端に寿命が短くなったりするのです。
電源に直結するとLEDには大きすぎる電流が流れてしまい、激しい光を放つ代わりに一瞬で寿命を迎えてしまうわけですね。
その為、普通はこのように直前または直後に抵抗をかませて、回路に流れる電流の量を制限してあげる必要があるのです。
抵抗の値について
定格電流についてはLEDの色や性能によってバラつきがあります。
だいたい20mA程度といったところですが、データシートで確認しておくのがベストですね。
ではどの程度の抵抗をかませれば良いのでしょうか。
例として順電圧が1.7V、最大定格電流が30mAのLEDで考えてみます。
LEDを光らせるためにはアノード側とカソード側の電位差が1.7Vなければいけないわけです。
仮にカソードが0Vなのであれば、アノード側は1.7V以上になっていれば良いということ。
電源がパワーサプライや006P電池のような9Vだった場合、抵抗によって7.3V程度の電圧降下があれば良いというわけ。
ここに30mAを超える電流を流してしまうとLEDが壊れてしまうため、20mAを流すようにするには・・・
R × 20mA = 7.3V
※R(抵抗値)×I(電流)=V(電圧)(オームの法則より)R = 7.3(V) ÷ 0.02(A)
=365Ω
つまり365Ω程度の抵抗をかませてあげればOKということ。
LEDと抵抗の配置が逆でも同じです。
もしLEDのアノードが直接9Vと結線している状態だとしたら、カソード側の電位が7.3Vになるような抵抗をLEDとGND(0V)の間にかませればいいわけですね。
面倒な人は1~4KΩで
かと言って、いちいち計算するのは面倒だという人もいると思います。
そういう人は、ブレッドボードやみのむしクリップを使ってテストしてみれば一発。
極端に大きい抵抗でなければ、点灯してくれるはずです。
たとえば1KΩ~4KΩあたり。
※もちろん極端に小さいのもNG。100Ωを切るようなのは絶対NG。
たまに2KΩかと思ったら2Ωだった、みたいなミスもやらかしますが・・・。
ちなみに僕はどこかのサイトでみた4.7kΩという抵抗をいつも使っています。
もし↑の計算式に当てはめるなら、7.3Vの電圧降下を4.7kΩの抵抗で行うわけですから・・・電流は1.5mAってところですか。
実際にはこれでも十分明るいので、電流はそこそこ小さくても大丈夫なのかもしれないです。
光らせる以外の用途
LEDというと、光らせてナンボみたいなイメージがありますが、エフェクターの内部回路にも使われていたりします。
有名なランドグラフのオーバードライブは、内部回路のアンプ部で増幅された信号のフィードバック回路にLEDがかませてあります。
MarshallのGuv'norなんかもアウトプット付近で回路にLEDが使われていました。
これはクリップ回路と呼ばれ、音の波形を切り取って歪ませる役割をもっています。
なぜLEDで歪み(ディストーション)が作れるのかというと、「LEDがダイオードの1種だから」ということで説明がつきます。
ダイオードは一方向にしか電流を流さない特性ばかりに着目されますが、それ以外にも「特定の電圧以上の時だけ電流を通す」という特性があるんですね。
なのでその「特定の電圧以上だけ」をGNDに流してやれば、残った部分のみがアウトプットに出てきます。
図のようになめらかな曲線の波形の山を切り取ることで、アウトプットに現れる波形を台形、または四角い波形にすることができるわけです。
この四角い波形こそがオーバードライブ・ディストーション時の音の波形であり、
ダイオードを使って疑似的にこの波形を作ってあげることで、結果的に音がディストーションすることになるわけです。
ダイオードクリップに関しては以下の記事も参考にしてみてください。